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へびとエバ
(創世記からの説教、その十一)
R. L. ハイマース, Jr. 神学博士 著

THE SERPENT AND THE WOMAN
(SERMON #11 ON THE BOOK OF GENESIS)
by Dr. R. L. Hymers, Jr.

ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて  
2007年8月5日、主の日の晩の説教

A sermon preached on Lord’s Day Evening, August 5, 2007
at the Baptist Tabernacle of Los Angeles

“さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。 へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうにに神が言われたのですか」”(創世記第3章1節)。

私達が創世記第3章1節を考慮する時、中世期に描かれたエデンの園でのアダムとエバの誘惑を基にした絵を、私達の想いからなくしてしまわなければなりません。 それらの絵はアダムとエバに、枝に下がっている赤いりんごを食べるよう語りかける、木の枝にまつわりついた蛇を描写しています。 これは、私達が聖書の中で実際に読む話を完全に誤って解釈しています。 まず、私達が蛇として知っているようなへびはいませんでした。 “へび”がどのような形をしていたにしても、それは確かに私達が世界中で見る蛇のような形ではありませんでした。 ライリー博士(Dr. Ryrie)は、それは“のろわれていない状態においては、美しい生き物”であったであろうと推測しています(Charles C. Ryrie, Ph.D., The Ryrie Study Bible, Moody Press, 1978, p. 11; note on Genesis 3:1)。 悪魔がへびにとりついたのです。 ギル博士(Dr. Gill)はこう述べています、“その話し方の能力を持つ事、そして道理の用途によって明白であるように、悪魔によるもくろみの手段として、悪魔にとりつかれ、そして用いられ、非常に狡猾で、そして、精巧なやり方で利用された・・・聖書は、常に悪魔の人への誘惑を述べている;彼の悪巧みなふるまいのゆえ、へび、年を経たへび、悪魔、サタンと呼ばれるのである、コリント人への第二の手紙第11章3節;ヨハネの黙示録第12章9節”(John Gill, D.D., An Exposition of the Old and New Testaments, The Baptist Standard Bearer, 1989 reprint, volume I, p. 22; note on Genesis 3:1)。

ですから、 私はサタンがこのうつくしい生き物の口を通して語ったものと信じます。 エバは、へびが彼女に話しかけた時、驚きませんでした。 モリス博士(Dr. Morris)は、“それは、単に彼女の無知のために、エデン[の園]の彼女の周りにいる動物達は話す事が出来ないと言う事を知らなかったので、へびが彼女に話した時に、彼女は驚かされなかったのであろう”と言っていま (Henry M. Morris, Ph.D., The Genesis Record, Baker Book House, 1986 edition, p. 109) 。 そしてまた、モリス博士は、“そこには、話しをするへびのただの寓話以上の事がこの出来事に関してある事は言うまでもない。 聖書は後に、その‘年を経たへび’を、悪魔それ以外のなにものでも無い、と同一視している、ヨハネの黙示録第12章9節;第20章2節(モリス、同著、p.107)。

ここで初めて、私達は、この世の悪の難問に直面しました。 もし神が、全能であり聖なる方であるならば、なぜ神は悪を許されたのか、実際、どのように悪が存在するのでしょうか? 悪の存在に関しての難問に対する唯一の聖書による返答は 、正にこの創世記の第3章の中に見つけられます。 モリス博士は、“人がこの世に罪をもたらす以前は、[人]自体の性質には彼をそのような[罪の]方向へと導くものはまだ無かったので、彼自身以外の行為者によって罪を遂行させられたに違いない(Morris, ibid., p. 106)”と言っています。

サタンはどこから来たのでしょうか? 旧約聖書の中の二つの節が答えています。 イザヤ書第14章12-15節に、このように書かれています。

“黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。 もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。 あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。 しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる”(イザヤ書第14章12-15節)。

スコーフィールド・スタディバイブルは、この節は“明らかに・・・目に見えないけれども実際の支配者である・・・この世の秩序の王子、とされるサタンを示している。 この恐ろしい節が世界の罪の始まりを示している。 ルシファーが‘私は[いと高き者のように]なろう’と言った時、罪が始まった”(The Scofield Study Bible, 1917 edition, note on Isaiah 14:12)と書いています。 この同じ強力な悪霊については、エゼキエル書第8章にも書かれています、

“あなたは神の園エデンにあって・・・あなたは造られた日から、あなたの中に悪が見いだされた日まではそのおこないが完全であった。・・・あなたは自分の美しさのために心高ぶり、その輝きのために自分の知恵を汚したゆえに、わたしはあなたを地に投げうち・・・あなたは恐るべき終わりを遂げ・・・” (エゼキエル書第28章13,15,17,19節)。

モリス博士は、“[これらの節]の中の声明は、単なる地上の王に当てはめる事は決して出来ない。 それらは、バビロンそしてツロの王達の背後にある真の権力、サタンを示している ”と言っています。 そして聖書の節、エゼキエル書の中で、サタンは、“神の園エデンにあって”(エゼキエル書第28章13節)と書かれている。 私達のテキストで知ったように、これはサタンがエバに話しているへびに入った事の直接の表示だと、私は信じます。

“さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。 へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」” (創世記第3章1節)。

これはサタンが人を誘惑する為に現れた最後ではない事に注意してください。 ルカによる福音書の第4章は、救い主としての奉仕の始まりが接近している時、サタンが、荒野でキリストを誘惑した事を告げています。 その章でイエスは、

“聖霊に満ちて・・・荒野を四十日のあいだ・・・悪魔の試みにあわれた”(ルカによる福音書第4章1-2節)

エバと同じく、悪魔はキリストに言いました。 しかし、ここでは、彼は動物もしくは、這うものを通して話すようには現れませんでした。 彼は直接イエスと話し、似たやり方で、彼が最初の両親を誘惑したように、イエスを誘惑しました。 しかし、アダムとエバがサタンの誘惑に陥った一方、主イエス・キリストは彼に反抗されました。 これはキリストがエデンの園での人の罪を元に戻されようとする始まりで、それは、イエスが私たちの罪の支払いの為に十字架の上で死なれ、そして死から体ごと甦られた時に、ゆくゆくは、完了しました。

サタンと彼の使い達は、神とキリストの敵として四つの福音書と使徒行伝を通して現れています。 事実、この悪なる霊に授けられた一つの名前は“敵”という意味です。 これが“サタン”という名前の本当の意味です。 彼は私達の敵であり、神の敵であり、そして今日でも敵なのです。 使徒ペテロはこのように書いています。

“身を慎み、目をさましていなさい。 あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。 この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい”
       (ぺテルの第一の手紙第5章8-9節)。

真のクリスチャンは“信仰により”悪魔に抵抗するように告げられています。 私達のキリストにおける信仰は、悪魔のたくらみに対する私達の最も大いなる武器なのです。 

しかし、もしあなた方が改心していないならば、あなた方は、エデンの園でのエバ以上に、サタンによって、もっとだまされ、ごまかさられる傾向にある事を私は知っています。 実際、神の恵みなしには、あなたは常にだまされるでしょう。 使徒パウロはこのように言っています。

“もしわたしたちの福音がおおわれているなら、滅びる者どもにとっておおわれているのである。 彼らの場合、この世の神が不信の者たちの思いをくらませて、神のかたちであるキリストの栄光の福音の輝きを、見えなくしているのである”(コリント人への第二の手紙第4章3-4節)。

エデンの園でのエバのように、サタンの真の目的は、あなたを福音の真実から盲目にさせ、キリストの救いからあなたを離させる事なのです。 彼はエバを食べてはならない果物を食べさせるようにたくらみ、そうして、エバがエデンの神の楽園で永遠に生きる事のないように、命の木の実を食べる事から離させました。

“さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。 へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」” (創世記第3章1節)。

サタンの最初の不誠実なごまかしは、神が言われた事をエバに疑わせる事でした。 今日でもそうではありませんか? サタンはあなたが聖書で神が言われている事について、特に、神の言葉が、あなたの救いについて言っている事を、あなたが疑う事を望んでいるのです。 悪魔に抵抗し、聖書を信じなさい。 イエスはこのように言われました 。

“すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう” (マタイによる福音書第11章28節)。

サタンからの、誘惑なる思いを取り去り、キリストに来なさい、そうすれば、キリストが約束されたように、あなたは、魂の安らぎを見出すでしょう。 キリストに来なさい、そうすれば、あなたは神の御前に完全に正当化されるでしょう。 信仰によってキリストに来なさい、そうすれば、あなたがかつて犯した、そして犯すであろう全ての罪は、あなたが信仰によって彼に来る瞬間、イエスの御血により、洗い清められるでしょう。 偉大な清教徒の賛美歌著者ジョセフ・ハートが書いているように、

罪人が信じ、
   十字架につけられた神を信頼する瞬間、
直ちに、神の許しを、彼は受け入る、
   イエスの血による完全なる罪のあがない。
(“The Moment a Sinner Believes” by Joseph Hart, 1712-1768).

(説教終了)
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クレイトン L. チャン医師による説教前の聖書の朗読 :創世記第3章1-5節。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“He Who Would Valiant Be” (by John Bunyan, 1628-1688).