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新い世界への産みの苦しみ!

R. L. ハイマーズ、Jr. 神学博士 著

BIRTH PANGS OF THE NEW WORLD ORDER!

ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて
2010年10月24日、主の日の朝の説教

“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”
(マタイによる福音書第24章8節)。

この聖句のギリシャ語の文字どうりの訳も、“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”です。(キング・ジェイムズ・バージョン/KJVでは“All these are the beginning of sorrows”とあります)。 KJVの“sorrows(悲しみ)”は、ギリシャ語“odin”という言葉から訳されています。 ストロング・コンコーダンス(Exhaustive Concordance)は、この言葉をお産の時の苦しみ、“痛み、悲痛、苦痛”と表しています。 私の妻は、私達の双子の息子達を産むまで、二十時間以上に渡るいたたまれない“産みの苦しみ(陣痛)”を体験しました。 キリストが来臨される以前に、この世はこれと似たような、多くの“産みの苦しみ”を体験するでしょう。

多くの人々は、2012年にこの世の終わりが来ると予言しているマヤ族の暦法に関心を持っています。 しかし聖書は、日にちを定める事に反対しています。 神ご自身以外誰も、その正確な日にちは知りえません。 私達はその前兆を知る事は出来ても、その正確な日にちを知る事は出来ないのです。

弟子達はイエスに、“あなたがまたおいでになる時や、世の終りには、どんな前兆がありますか”と尋ねました(マタイによる福音書第24章3節)。 イエスは、女性がお産の時に体験する苦痛な陣痛に譬えられるような、いくつかの前兆を示されました。 キリストは、ご自身がこの地上に戻って来られ、御国を設立される前に、この世はこれらの激しい“産みの苦しみ”を体験するであろうと告げられました。 デハーン博士(Dr. M. R. DeHaan)は、マタイによる福音書第24章で示されているこれらの産みの苦しみを以下のように挙げています。

1.   欺きの増大
2.   偽のキリスト
3.   戦争と戦争のうわさ
4.   ききんや疫病
5.   絶え間なしの地震
6.   民族間の敵対と迫害
7.   不信頼[互いに裏切り、憎み合い、クリスチャンの
愛が冷える]
8.   偽預言者
9.   背教
10.   全世界への福音の布教
    (M. R. DeHaan, M.D., Signs of the Times,
   Kregel Publications, 1996 reprint, p. 51).

デハーン博士は、このように書いています。

マタイによる福音書第24章3節から14節での、最後の点[全世界への福音の宣教]を除いた十の前兆は、過去の歴史を通して起こったけれども、それら全てが同時に起こった事はかって無かった。繰り返して言うが、それらの前兆全てが同時に起こった事は決して無かった。 “そのように、すべてこれらのことを見たならば、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい”(マタイによる福音書第24章33節)とは、主御自身の言葉である・・・歴史上初めて、これらの前兆は同時に起こっている。ならば“あなたは主の来臨を迎える用意が出来ているか?”と言う差し迫った質問に直面する事は、何とも重要な事であろうか。主が来臨なさる時、[キリストの福音]を聞き、それを受け入れる事を故意に拒否する人達にとって、救いの扉は永遠に閉ざされるのである(M. R. DeHaan, M.D., ibid., p. 52)。

“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”
      (マタイによる福音書第24章 8節)。

私達が理解し、先々激しく迫ってくるであろう“産みの苦しみ”に関する二つの論点を考慮しましょう。

I. 最初に、好ましい状態になるであろうか?

人々は物事を前向きに考えたがります。 彼らは状況がよくなると考えたがります。 オバマ大統領は、よくなるような“変化”を約束しました。 しかし、多くの人々は何の“変化”も見出せません。 現在、共和党を有望とした得票数に急上昇が見られます。 しかし彼らが、私達にさほどの手助けを提供出来るとは私は思いません。 まず最初に、アメリカ人達は53億の子供達を母親のお腹の中で虐殺しました。 それは、ヒットラーによる死の収容所でのユダヤ人虐殺の七倍にも当たります。 そしてそれは第二次世界大戦において死んだ人達の合計を3億人超えています。 もしアメリカ人と西洋の国々が、中絶堕胎ホロコーストによる大規模な虐殺を裁かれないならば、神はヒットラーの裁きに関してわびなければならないでしょう! 実際、神は一世代の子供達の命を滅ぼした事で、すでに様々なかたちで私達を裁いています。 歴史家のウィル・ドラント(Will Durant)は、“偉大な国家は、その国自身が自らを滅ぼす”と言いました。 私達は正に私達自身を滅ばしたのです、そして私達は、それゆえに偉大な代償を払っているのです!

多くの若い世代のアメリカ人は、今日、西洋の国々が自らを滅ぼしている事を知り始めています。 私達が使用しているほとんど全ての生産物は他の国々へ委託されています。 私達の若者達が職探しに当たり、彼らへの空きポストが十分に無いのです。 私達の教会の一人の有能な若者は、かつては最も高等な分野とされた学位を得ましたが、彼は全く彼の分野とは関係のない低賃金の仕事をしています。 それでも満足しなければならない状態です! 失業率は好い方向へ向いているでしょうか? 現在多くの経済学者達は、すぐに変わる事は無いであろう言っています。 そして更に彼らの何人かは、年々更に悪化するであろうとも言っています。 インフレは限界に来ているように思えます。 現在1ドルで買えた物が、後には10ドルほどに値上がりしていく可能性もあります! そして10ドルで買えたガソリンが100ドルにも上昇していくでしょう!  それが現実となるでしょう、なぜなら、国家が、不正な銀行や金融商社を“保釈”する為に、価値のないお金を次々と印刷しているからです。 インフが、人々からドルの価値を奪い取ってしまったので、固定収入の人達が、一番打撃を受けているのです。 それらは“オバマドル”と呼ばれることでしょう。 

失業率の見通し、そしてインフレが原因となって生じている事は、今日多くの若者達を不安に陥らせています。 イスラム教派のテロリストの増大もまた彼らを恐れさせています。 この説教は大部分をアメリカに向けています。 しかしアメリカに直面している社会的、精神的、そして金銭的な問題は、世界の国々を通して影響を与えています。 フランスでは、サルコージ(Sarkozy)は、厳格な計画を取り入れ、社会的に不安をもたらせています。 プーチンもロシアを誤った方向へ導いているように思われ、イランとも同盟を結び、それにより中東へ戦争をもたらす事も可能です。 インドネシア、そして世界中で、特にイスラエルを囲んでいる国々は非常な不穏な状態に陥っています。 メキシコはすでに無政府状態もしくは政府の転覆状態にほぼ等しくなっています。 確かに現在、世界中が没落の状態に陥っているように思えます!

私は、ビリー・グラハムの“決断主義”そして他の幾つかの主要点に関し同意しませんが、彼が“トラブルと危険が待ち構えている。 今日の若い世代は、危機、流血、戦争、嫌悪、貪欲、欲望、そして苦闘・・・以外、何も期待できないであろう” (Billy Graham, World Aflame, Doubleday and Company, 1965, p. 15)と語った事に関しては、確かに彼は正しいのです。 ビリー・グラハムの本は、1965年に書かれています。 『World Aflame』の文書に伴って、デハーン博士(Dr. DeHaan)は、混乱状態の60年代に非常な印象を私に与えました。 当時ビリー・グラハムが述べた事は、現在の邪悪な時代に、更に真実となってきています。 『World Aflame』の一部に書かれた言葉に注目して下さい。 

不法による炎
抑制不可能な技術による炎
政治上のジレンマによる炎
セックス
ポルノ
性的倒錯
不正行為
すたれつつある文化
現実逃避
不安
集団による偶像崇拝
科学への崇拝
自己崇拝
信仰に対して傲慢なる主知主義
罪の起源
神に対する反感
罪による結末
不法の上昇
嘲笑者達の現れ
迫害の普及
アルマゲドンに向かっての備え
世界的な独裁者の到来
裁きの炎
   (Billy Graham, World Aflame, pp. ix-xii).

“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”
      (マタイによる福音書第24章8節)。

この世の状況は好ましくなるでしょうか? いいえ、状況は好ましくはならないでしょう! 状況が良くなるであろうと言うような説教者もしくは政治家を信じてはなりません! 聖書は、“不安な国々”となる事を告げています。

“人々は世界に起ろうとする事を思い、恐怖と不安で気絶するであろう。もろもろの天体が揺り動かされるからである” (ルカによる福音書第21章26節)。

あなた方が新聞やインターネットで記事を読む時、ほとんどの記事は世界が不安状態にある事を語っています。 そして今日の問題に対して答える人は誰もいません。 ウィンストン・チャーチルは、将来がどうのようになるか、という驚くべき推察をしました。 彼は第二次世界大戦場が勃発する十年前にそれを予期しました。 彼は、すべての政治家達が嘲笑するにもかかわらず、ロンドンへの爆撃を予期しました。 彼は、鉄のカーテンとソビエトとの冷戦を予期した最初の人でした。 彼は、欧州連合が設立される五十年以上も前にそれを予期しました。 彼は、イスラエル人国家が独立する三十一年前の1917年にそれを予期しました。 彼はほぼ常に正しかったのですが、彼の生涯の終わりに、彼は“我々の問題は想像以上のものである”と言いました。 彼は再度正しかったと思います! 私達の問題は、その通り私達の想像以上のものなのです! インフレ、職不足、イスラム教徒過激派、不安、そして悲観は、破壊されつつあるこの世、炎の中に存在するこの世、すぐにも屋根が落盤するようなこの世の前兆なのです。 ビリー・グラハムは、“人は抑える事の出来ない猛烈な炎の中にとらえられている”(同著p. 2)と書いています。 しかし、私達が今日目前しているのは、何年か先に待ち構える恐怖の前触にしか過ぎない事を忘れてはなりません。 

“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”
      (マタイによる福音書第24章8節)。

将来的にこの世は非常に最悪化していくので、人々は今日の状況に戻る事さえ望むでしょう! 現在の状況が悪いとは言え、いつかすぐにもそれは“古き良き時代”と呼ばれる事でしょう。 

“その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。 もしその期間が縮められないなら、救われる者はひとりもないであろう。しかし、選民のためには、その期間が縮められるであろう”(マタイによる福音書第24章21-22節)。

後にやってくる迫害が、非常に大いなるものであるが為、人々は完全な滅亡状態の危険の中に生きるでしょう。 この世は全ての人類歴史の中で最も悲惨な体験をするでしょう。 今日、邪悪な人達は教会に入ろうともしません。 しかしいつか、このような時がやって来るでしょう。

“主が立って地を脅かされるとき、人々は岩のほら穴にはいり、また地の穴にはいって、主の恐るべきみ前と、その威光の輝きとを避ける”(イザヤ書第2章19節)。

“人々が平和だ無事だと言っているその矢先に、・・・突如として滅びが彼らをおそって来る。そして、それからのがれることは決してできない”(テサロニケ人への第一の手紙第5章3節)。

II. 次に、どのような望みがあるでしょうか?

私は、この世には主イエス・キリストの来臨のみしかない事を明白にしたいと願っています! キリストの来臨は、新約聖書そして旧約聖書の中で何百回も示されています。 それは、テトスへの手紙 第2章13節にて、“祝福に満ちた望み”と呼ばれています。 

“祝福に満ちた望み、すなわち、大いなる神、わたしたちの救主キリスト・イエスの栄光の出現・・・”(テトスへの手紙第2章13節)。

この不信の世の中には、真の望みはありません。 不信者達は、使徒パウロの言葉によって、“この世の中で希望もなく神もない者であった”(エペソ人への手紙第2章12節)と示されています。

祝福に満ちた望み、すなわち、大いなる神、わたしたちの救主キリスト・イエスの栄光の出現を待ち望むようにと、教えている”(テトスへの手紙第2章13節)。

“希望もなく”それとも“祝福に満ちた望み”。 選択肢は二つしかありません。

イエスが来臨される二つの段階は、信仰を持って聖書を注意深く読む人達には明白です。 最初に、真のクリスチャンを受け入れるために空中に来ます。

“すなわち、主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり、それから生き残っているわたしたちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう”(テサロニケ人への第一の手紙第4章16-17節)。

ジョン・ライス博士(Dr. John R. Rice)は、それをよく描写しています。 立って、『共に引き上げられ“Caught Up Together”』を歌って下さい。

彼と共に会うために引き上げられ
   イエスと共に引き上げられ、決して離れることなく
瞬時に変えられ、救い主と共にい
   共に引き上げられ、決して離れることなく。
(“Caught Up Together” by Dr. John R. Rice, 1895-1980).

着席して下さい。

回心している人達はイエスと共に上げられます! どこへでしょうか? 第三の天国、新たなエルサレムへとです! また今晩戻って来なさい。 私はそれに関して説教します! 

しかし、後に、真のクリスチャン達はイエスと共に雲を通り抜けてこの地上に戻ってくるのです。 私達が第三の天国からこの世でイエスと共に統治する為に、彼と一緒に戻ってくるのが、二番目の段階です! それはヨハネの黙示録第19章11節から16節において記されています。 預言者ゼカリヤによってこのようにも書かれています。

“その日には彼の足が、“東の方エルサレムの前にあるオリブ山の上に立つ。・・・こうして、あなたがたの神、主はこられる、もろもろの聖者と共にこられる”(ゼカリヤ書第14章45節)。

第三の天国から-イエスに従う真のクリスチャン達と共に-エルサレムの近くのオリブ山の頂点へと、イエスは戻って来られます。 そして “王の王、主の主”(ヨハネの黙示録第19章16節)としてキリストが、統治されるのです。 それが、この地上でのキリストによる一千年の間の統治、真実の新たな世界への段階です。 『彼は再び来られる“He is Coming Again”』を立って歌って下さい!

彼は再び来られる、彼は再び来られる、
   人に拒否された、同じイエスが。
彼は再び来られる、彼は再び来られる、
   御力と大いなる栄光を携え、彼は再び来られる!
(“He Is Coming Again” by Mabel Johnston Camp, 1871-1937).

エディ・ワングという宣教者は、“中国人の人々の心は、福音を受け入れるために開かれている。 この世には、彼らは他の何の望みもない。 それが中国で信者が非常な勢いで増加している主な理由の一つである”(eddiewang@juno.com, October 2010). )と言いました。 しかしここアメリカとヨーロッパの多くの教会員達は眠りこけています。 彼らは、全ては良くなるという誤った希望を持っているからです! 彼らの多くは回心していません。 中国人の教会で長年にわたり私の牧師であった、リン博士(Dr. Timothy Lin)は、“アメリカ人のようになってはならない! 彼らは日曜日の午後、そして祈祷会にも、教会にも行かない! そのようなアメリカ人になってはならない!”とよく言っていました。 今日の教会で、多く人達は回心していると思っています、しかし彼らは、キリストが来臨される時に彼に会う用意が出来ていないでしょう! 

あなたはその準備ができていますか? あなたです! あなたはキリストに会う準備ができていますか? もし真の回心の経験をもったことがなければ、あなたはその準備ができていないのです! Going to church will not save you. 教会へ行くことはあなたを救いません。 “罪びとの祈り”をあげても、あなたを救いません! “前に出ていく”ことはあなたを救いません! “再度献身する”ことはあなたを救いません! あなたは完全に堕落していることを知らなければなりません、そして手助けもなく、卑しい罪びとであることを知らなければなりません。 あなたは、あなたの罪を贖う為に十字架で死なれ、今第三の天国にいる神と共にいるイエスに来なければなりません。 彼の尊い御血でもってあなたの罪から洗い清められなければなりません。 そして、毎週日曜日に教会へ戻ってきなさい。 中間試験や期末試験で教会を休んではいけません。 また、“ホリデーシーズン”の為に、教会にくることを止めてはいけません。 説教は、あなたの人生で恵みの糧になるでしょう。 ビリー・グラハムは毎回テレビ番組での説教の終わりで、ブラウン管を通してみんなに、“日曜日に教会へ行くのを忘れてはいけません”と言って番組を終えました。 それは私が彼に同意するもう一つの点です。 教会にいなさい、そしてイエスに“はいるように努めなさい”(ルカによる福音書第13章24節)。 これが、キリストの再臨に臨むための唯一の準備なのです! 立って『彼は再び来られる“He is Coming Again.”』を歌いなさい。

彼は再び来られる、彼は再び来られる、
   人に拒否された、同じイエスが。
彼は再び来られる、彼は再び来られる、
   御力と大いなる栄光を携え、彼は再び来られる!

(説教終了)
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クレイトン L. チャン医師による説教前の聖書の朗読: マタイによる福音書第24章1-8節。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“Caught Up Together” (by Dr. John R. Rice, 1895-1980)。

要 綱

新い世界への産みの苦しみ!

R. L. ハイマーズ、Jr. 神学博士 著

“すべてこれらは産みの苦しみの初めである”
(マタイによる福音書第24章8節)。

(マタイによる福音書第24章3, 33節)。

I.   最初に、好ましい状態になるであろうか?。
ルカによる福音書第21章26節;
マタイによる福音書第24章21-22節;イザヤ書第2章19節;
テサロニケ人への第一の手紙第5章3節。

II.  次に、どのような望みがあるでしょうか?。
テトスへの手紙第2章13節;エペソ人への手紙第2章12節;
テサロニケ人への第一の手紙第4章16-17節;
ザカリヤ書第14章4-5節;ヨハネの黙示録第19章16節;
ルカによる福音書第13章24節。