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彷徨うこの世代

R. L. ハイマーズ、Jr. 神学博士 著

THIS WANDERING GENERATION

ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて
2004年9月5日、主の日の晩の説教

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。


私達の教会で、何度かこのメッセージを説教しました。 “彷徨うこの世代”のメッセージは、今までに説教したうちの最も重要なメッセージの一つだと私は考えます。 ですから今晩それを注意して聞いていただきたいと思います。 

このテキストは、

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。・・・”(ダニエル書12章4節)。

と言っています。

この聖句の意味は、“終りの時”まで完全に理解する事は出来ることはなかった、ということです。 それはこの世の終わりの時まで、“秘”され、もしくは封されるのです。 ダニエル自身も彼に示されたその預言を完全に理解していなかった事に注目してください。 

“わたしはこれを聞いたけれども悟れなかった。わたしは言った、「わが主よ、これらの事の結末はどんなでしょうか」。彼は言った、「ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終りの時まで秘し、かつ封じておかれます”(ダニエル書第12章8-9節)。

この20世紀になって、これらの言葉の預言の意味が明白になり始めました。 クリスウェル博士(Dr. W. A. Criswell)は、ダニエル書第12章4節は、“驚くべき移動の時代、そして重要な知識の増大が、この世の終りの時に向けて予期されている”(Criswell Study Bible, note on Daniel 12:4)と語っています。 

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。

中東での出来事と世界各地で私達が知るテロ行為、そしてイスラエルでの出来事などのゆえに、今日の人々は聖書の予言に非常に興味を示しています。 人間に直面しているエコロジーと人口増加の問題、そして心理的な問題もまた、答えを得る為に、聖書の予言に多くの人々の関心を向けさせています。 人々は、“現在の新聞記事について、聖書は何か告げているであろうか?”としばしば疑問に思っています。 もし私が聖書を信じていなかったならば、この世で起こっている出来事に関して非常に落胆し、また恐れる事をも認めなければなりません。 私達は予言について、将来起こる事に関して、聖書が言っている事を理解しなければなりません。 聖書をどう言っているでしょうか?

I. 最初に、聖書は、私達は現在ダニエル書第12章4節で語られている“この世の終わり”に生きているという多くの前兆を挙げています。

私達のテキストは、

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい”(ダニエル書第12章4節)。

と言っています。

私達は“終わりの時”に生きていると私は信じます。 全ての前兆は、私達がこの世の最後の近くに生きている事を表しています。 

最初に、この世の最後が近づいたというエコロジー的な前兆があります。 イエスはこのように予言しました、

“また大地震があり、あちこちに疫病やききんが起り、いろいろ恐ろしいことや天からの物すごい前兆があるであろう。・・また日と月と星とに、しるしが現れるであろう。そして、地上では、諸国民が悩み、海と大波とのとどろきにおじ惑い、人々は世界に起ろうとする事を思い、恐怖と不安で気絶するであろう。もろもろの天体が揺り動かされるからである”(ルカによる福音書第21章11, 25-26節)。

イエスは、人々が“地上”で起きている事を見て、彼らは気絶するであろうと言われました。 彼は人々に直面しているエコロジーの問題などで非常に恐れるであろうと言われました!

次に、 キリストは、人種間の闘争がこの世の最後に近づいているしるしとなるであろうと言われました。

“それから彼らに言われた、「民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう”(ルカによる福音書第21章10節)。

民族は民族に、国は国に敵対して、すなわち、現在私達はそれを見聞きしていませんか? 私達の全ての人間の知恵、テクノロジー、そして科学などがありながらも、私達には民族間による闘争と国々による戦争を止める事が出来るように思えません!

三番目に、聖書は私達に、この世の終わりにはイスラエルが他の国々に対して大きな問題となるように告げています。 神は言われました、

“わたしはエルサレムをすべての民に対して重い石とする”
       (ゼカリヤ書第12章3節)。

真のクリスチャン達は、今日イスラエルを支持しなければなりません。 しかし聖書は、世界の国々は、この世の終わりにはイスラエルに敵対すると予期しています。 イスラエルに対する緊張感の増大は、私達がこの世の最後にいる事のしるしです。

四番目に、 聖書は、クリスチャンに対する迫害の増大はこの世の最後の前兆であると告げています。

“人々はあなたがたに手をかけて迫害をし、会堂や獄に引き渡し、わたしの名のゆえに王や総督の前にひっぱって行くであろう”
       (ルカによる福音書第21章12節)。

それは現在中国、スーダン、インドネシア、中東、そして他の多くの国々で起こっています。 現在私達が世界中で目撃しているクリスチャンへのひどい迫害は、この世の終わりが近づいている前兆である、と私は信じます。 

五番目に、背教の前兆があります。 聖書は、

“だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、・・・”
       (テサロニケ人への第二の手紙第2章3節)。

と言っています。

何千人もの人達が中国、アフリカ、そして他の多くの国々の教会へと流れ込んでいると同時に、ここ西洋では真のキリスト教の大いなる没落、背教が見られます。 これもまた私達が知るとおり、私達はこの世の終わり、そしてイエス・キリストの来臨の間際に生きていると言う前兆のように思われます。

全ての主要な前兆は、現れています。 聖書の予言は真実となりました。 ですから、私達が現在、ダニエル書第12章4節に書かれている“この世の終わり”に住んでいる事を私は確信しているのです。 

II. 次に、このテキストは移動と知識は、この世の終わりに増大するであろうと告げています。

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。

過去150年間に、人間の知識の増大は人の移動性と運行の大いなる増加を可能にしました。 預言者ダニエルは馬の駆ける速さ、おそらく最高時速15マイル以上の速度で移動する事はありませんでした。 彼の通常の速度は人の徒歩の速さでした。 ダニエルの時代には、速くとも時速15ないし20マイル以上の速さで移動する人はいませんでした。 しかし、蒸気機関と電力の発明により、人々は最高時速20ないし30マイルの速さで道と河を移動しました。 そうしてヘンリー・フォードは燃焼機関を広め、時速25ないし35マイル、更には70マイルの速度に到達しました。 今日、最高時速600マイルの速度で移動できる自動車があります。 飛行機は時速2000マイル、宇宙船は時速24,000マイルで移動出来ます。 今日ジェット機は24時間以内で世界中を飛び回る事が出来ます。 そして一秒以内でラジオによるメッセージを世界の隅から隅まで流がす事が出来ます。 彼らは現在、将来の移動機関によって人が光の速度で、もしくは一秒間で世界中を7回半回る事が出来る可能性について話しています。 もし抗重力装置が完成するならば、それは可能になるかもしれません。 考えて見てください!

ブラックストーン(W. E. Blackstone)は、彼の名作、Jesus is Comingの中で、1917にこのように書いています。

キリストの来臨が近づいている事を信じる為の証拠は何であるかを考慮しなければならない。我々が分かるように、この世の終わりが近づいている事を信じることの多くの根拠から、我々は次の7つの事柄を挙げる。最初に、移動そして知識の普及。

それは1917年に書かれました。 その時ブラックストーンはダニエル書第12章4節を引用しています。 そしてこのように言っています。

現在と最近の時代の比較は、移動そして知識において非常に驚くべき増進を示している。

更に彼は続けて、

長い考慮の結果、旅に出る決心をしたある英国の女性の出来事が語られた。友人達は彼女の旅立ちを助けるために集まった。そして彼女に別れの挨拶を言うために1マイルないしそれ以上歩き、多くの人達が集まり別れを言った。けれども、彼女の旅の全行程はたかが50マイルであった。

彼らは彼女に別れの挨拶を言う為にやって来ました、なぜなら彼らは彼女に再会する事がないと知っていたからです! しかし現在、もし抗重力装置が発明されるならば、人は光の速度ないし、1秒間に地球を7回半回るほどの速度で移動出来るでしょう!

またブラックストーンはこのように書いています。

発明は、人が60日間に快適にそして容易に世界を旅行することが出来るように、陸と海でのすばらしい乗り物へと、蒸気と電力の強大な力をつないだ。

1917年にそれはブラックストーンを驚かせたように思えます。 その何年か前に、ジュール・ヴェルヌは、彼の名作サイエンスフィクションの小説、八十日間世界一周を書きました。 それはデビッド・ニべン主演により映画化され現在でもテレビで見ることが出来ます。 そしてジュール・ヴェルヌがそれを書いた時、人々は気球で80日間世界一周することの考えに大笑いしました。 今日、80日間の世界一周について話すことは、非常に古くそして時代遅れに聞こえます、なぜなら現在の人々が20時間で世界を一周する事は、全く通常の事だからです。 そして人は宇宙船でそれ以上速く回る事が出来のです!

私達のテキストは、このように言っています。

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。

それは私の両親と祖父母がまだ健在であった20世紀に起こりました。 私の祖母が生まれた時、自動車などはありませんでした。 まだ飛行機も発明されていませんでした。 私の祖母は、飛行機で最初に飛んだライト兄弟の二人を覚えていました。 そして更に、彼女が生きている間に、サテライトで世界中を回った人をも見ました。 それは一生涯の間です! 科学知識、速度そして移動の増進の全ては、私達がこの世の最後に近づいている事の前兆なのです。 

デハーン博士(Dr. M. R. DeHaan)は、彼の著作The Signs of the Timesの中で、このように言っています。 

ダニエルはこの世の最後の二つの前兆を挙げている。それらは:(1)多くの者は、あちこちと探り調べ、そして(2)知識が増すであろう。私はそれらの二つを移動の前兆、そして知識の前兆と呼んでいる。この世の最後には、移動の予期しなかった増進、そして従来、思いもよらない知識、教育、科学的発見の増進によって特徴付けられる。ダニエルは“ 多くの者は、あちこちと探り調べ、”と言っている。彼はこれが空前の移動の時代となる事を予言している。預言者ダニエルの言葉によって・・・2500年以上も前に書かれたそのような言葉を判じる事は驚くべき事である。そうしてそれは我々の現代の時代を完璧に描写している。始めに、蒸気が現れ、次に電力。最初に汽車が発明され、次にジーゼル。自動車。船。飛行機。そして現在ジェット機、続いて人工衛星。誰も、“多くの者は、あちこちと探り調べ、” というこれらの意味ある言葉を簡単に怠る事は出来ない。

これらのダニエルの預言と今日私達がこの世に見る、それらの成就を深く考えて見ましょう、

III. 最後に、このテキストは、この世の終わりの時の人の不安について告げています。

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。

自分自身に問いただしてみて下さい、なぜ人々はあちこちと探り調べるのでしょうか? なぜ今日多くの移動が起こるのでしょうか?一つの理由は、人々は駆り立てられている、と私は思います、 彼らの思いの中に、自ら常時動き、そして変化へと駆り立てる何物かがあるのです。

カインが創世記で言ったことを思い出してください。 

“あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません”
       (創世記第4章14節)。

カインは罪を犯しました。 彼は自分の弟を殺しました。 その罪の故に、彼は地上の放浪者として追放されました。 彼は常に移動し、一箇所に留まることに決して満足しなかったのです。 

今日人々が移動し回る理由は、罪によって追い立てられているからである、と私は確信しています。 人々がアメリカに来る主な理由は、貪欲の罪によるのです。 人々はよいクリスチャンになる為に来るのではありません! 彼らは貪欲の為、金儲けの為にアメリカに来ています。 ですから中国人の留学生が真のクリスチャンになる事はほぼ不可能なのです。 中国では近代の歴史の中で最も偉大なリバイブルが今起こっています。 しかしアメリカに来る中国の留学生は、お金を得る事だけに興味を持っています。 彼らは週末にラスベガスへ行きギャンブルをします。 彼らは、お金をもっと稼ぐ為に、教会よりも働くことを好んでいます。 金銭がアメリカ人の神となっているように、それが彼らの神となっているのです。

スペイン系の人達は、常に移動し、常に変化しています。 それは彼らの子供達と自らをも破壊します。 一つの居場所に留まりなさい! 私達と一緒に留まりなさい!

トーザー(A. W. Tozer)は、かってのアメリカの真のクリスチャンについて語っています。

生まれた同じ地方で人生を送ったある健全な年のいった教会の執事が亡くなった。彼は、近代の放浪者の時代より前に生きていた。・・・彼の基本的な過ちは・・・彼は、変化と休息が必要だった。しかし健康と長寿へのすばらしい援助について聞くことがなかった。彼は回転砥石に興味を持ち、10羽の健康な鶏を養い、自分の農地を耕し、そして月に一冊ないし二冊のよい本を読んでいた。・・・彼が87才の時、100ヤード先の栗の木から出てきたリスを、走りながら眼鏡なしで、銃をあごにあてて何度も撃った。彼が死んだ時、彼の家族と彼の一生涯そばに住むことで彼の立派な価値観を認識していた大勢の真の隣人達によって心から悼まれた。二年おきにはアパートを移り変わり、夏にはあらゆる場所を運転し回る彼の孫が、人間としての多くの特性において、彼と同等であると、どのように言うことができるのか理解の余地がない(A. W. Tozer, “Midsummer Madness,” in God Tells the Man Who Cares, Christian Publications, 1970 edition, p. 127)。

なぜアメリカ中の人々はそんなに移動するのでしょうか? なぜ彼らは自分達の教会を離れ、あちこちへと移動するのでしょうか? それはほとんどの場合、彼らが金銭的に貪欲だからです。 私は多くの事に関してビリー・グラハムに同意しませんが、彼がアメリカの最も偉大な罪は、貪欲の罪、金銭に対し貪欲であると言った事には完全に彼に同意します。 

若い人達よ、これらの絶え間のない移動と変化、そして金銭に対する欲があなた方の世代を害しているのです。 あなた方の両親はあなた方の学校からあなた方を引き離し、あなた方の友人からもあなた方を引き裂き、そしてあなた方は孤独となりました。 それは悲しむべき悲劇です。 多くのアメリカの若者達はとても孤独を感じています。 もしあなた方が頻繁に移動するならば、あなた方は落ち着いた家庭と真の友人を持つ事は出来ません。 

あなた方の両親が、あなた方が大学に行く為にどこかへ移動するような指導をさせてはなりません! この教会から車で運転できる距離に15もしくは20の大学があります。 ここに留まって学校へ通いなさい! この教会に留まり、ここで多くの友人を得なさい! なぜ孤独に留まるのですか? 教会の家へ来なさい!最も大切な事はあなた方が真のクリスチャンになる事です、そしてこのバプテスト教会に留まり、ロスアンゼルスによい影響を与えるように私達と共に活動して下さい! 離れて行ってはなりません。 それはあなた方をまた孤独に戻すだけです。 なぜ孤独に留まるのですか? 教会の家へ来なさい!

もしあなた方が教会を離れるならば、あなた方は自分のルートを去って行くのです。 あなた方は人生で真に価値となる全てを去っていくのです。 カインは去って行きました。 そして、それは彼の人生と彼の子供達を破壊しました。 彼らは最初の異端者、この世の最初の異端者となりました。 なぜならカインはノドの土地に住む為に主のおられる所から出て行ったからです。 デハーン博士は更に続けてこのように言っています。

ノドの土地とは文字通り、“さまよう土地”と言う意味である。それはさまよう土地と言うへブル語の意味である。 それは場所から場所へと移動する事を意味している。 伝説では、カインがインドと中国、そしてその他の遠方の土地へと出て行った事が述べ伝えられている。・・・一般的は判断は、カインは彼の故郷からかなり遠くはなれた場所へと移動した事である。それは落ち着かない、当惑を言及している。  

移動、移動、移動。 大洪水前のカインの時代に、人々は移動しました。 そしてキリストは、大洪水前のカインの子孫達の行動が、この世の終わりの時代に生きる人々を特徴付けると言われました。 キリストはこのように言われました。

“人の子の現れるのも、ちょうどノアの時のようであろう”
       (マタイによる福音書第24章37節)。

そして正にその通りのことが今日起こっています。 大洪水前の時代に人々がしたように、今日の人々は頻繁に移動しています。 それは正に今日の人々がしている事です。

“あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”
       (ダニエル書第12章4節)。

なぜ人々はそんなに移動するのでしょうか? すでに言いましたように、ほとんどの理由は金銭的な欲、より多くの金銭を求める貪欲から来ています。 聖書はこのように言っています。

“このことは知っておかねばならない。終りの時には、苦難の時代が来る。その時、人々は自分を愛する者、金を愛する者・・・”(テモテへの第二の手紙第3章1-2節)。

終わりの時に生きる人々は文字通り、“金を愛する者”、そして“自分を愛する者”なのです。 そして、この頻繁に移動を望むという事は、一般的に何らかの金銭的な欲が根本となっている、と私は言いました。 人々は、“仕事を見つけてこの教会に留ることは出来るが、他の場所に移動すればもっと収入があるであろう”と言います。 彼らは、“この学校は、行くのに結構いい学校ではある。 しかし私があの遠くの学校に行けば、将来もっと収入があるであろう”と言います。 ですからあなた方は、物質的貪欲、自己本位の世代の頻繁な動き回り、そして移動を求めているのです。

このことに関してイエスはこのように言われました。

“まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう”
      (マタイによる福音書第6章33節)。

メンシーア氏はそうしました。 グリフィス氏もそうしました。 チャン先生もそうしました。 ケイガン先生もそうしました。 サラザーさんも、そして医師のジュディス・ケイガンさんもそうしました。 私の妻もそうしました。 私達の教会のリーダーの方達も皆そうしました。 彼らの家族がどんなに幸せでノーマルであるかをよく見て下さい! そしてあなた方にもそうしてほしいと私は願っています。 どこかへと離れて行かないようにしなさい。 ここに留まり、まず神の国を求めなさい。 グリフィス氏が歌ったように、

甘んじるこころ、満ち足りた思い、
これらは金で買えない宝。
もしイエスに信仰をもつならば、あなたの魂は
ダイアモンドの野原と金の山々よりも豊かである。

私はロスアンゼルスに60年以上います。 私の45年ほどにわたる奉仕はロスアンゼルスです。 最初は白人の教会、次に中国人の教会、そしてこの教会です。 私はしばしばロスアンゼルスを離れたいと思いました。 しかし神は私に留まってほしかったのです。 財政的な面や感情的な面で、ここに留まることが大変な時がしばしばありました。 しかし、“よりよい場所”へ移るよりは、神の意の中にいることの方がより大事であることを知りました。 中国とアフリカへ行った偉大な宣教師のスタッドは、“最も安全な居場所は、神の意の中心である”。 私は彼に同意します!

さて、私と一緒に学校に通ったすべての人達は、この都市から離れていきました。 私の家族は亡くなったか、引っ越していきました。 すべての人はロスアンゼルスから出て行きました。 多くの人達がここにいましたが、今では私の妻と二人の息子を除いて、ここロスアンゼルスでは、私一人がハイマーズの苗字を持つだけになりました。 この都市で、私と同じ世代の人はいません。 しかし、移動したり去っていった人達で、よりよい人生と彼らが探していたものを得た人はいません。 私には、彼らよりも満ち足りた人生があります。 この都市に留まりなさい。 アメリカの隅々にいる牧師は、このメッセージを聞かせるべきだと思います。 この都市に留まりなさい! ローカルの教会に留まりなさい! 移動する先にはなにもありません! 

ある説教者達は、再会の日というのを設けています。 その日は教会を去っていったすべての人達が戻ってきます。 私はそのことをいくつかの教会で聞きました。 私は、都市から離れ教会を出て行った人達のための再会の日を持つつもりはありません。 彼らはむしろ留まっている人達のために“留まり”の日をもつべきなのです。 “留まり”の日をもって、去っていった人達をもてなすことを止めなさい。 決して彼らのことを口にしてはいけません。

教会に何が起こったと思いますか? アメリカに何が起こったと思いますか? 白人は都市を離れました。 彼らは教会を出て行きました。 私達はそれに反対する説教をすべきです。 それはアメリカをほとんど台無しにしてしまったのです。 白人達が都市を離れ、教会を出て行き、移動し続けること以外に、私達の国を崩壊させたものはありません。 それは“白人の都心から郊外への脱出”と呼ばれます。 それがアメリカを台無しにしました! 移動するのを止めなさい! 都市に留まりなさい! それが私達が説教すべきことです。 それは人々が聞きたがらないメッセージですが、どなたかはするでしょう。 私達がすべきことは、人々が聞きたいことを説教することでしょうか? 私達は、むしろ人々が聞く必要のあることを説教すべきです!

さて、私だけが残っていますが、私は都市を逃げ去った人達よりは、より満ち足りた人生を送っています。 そして、私は同じことをあなたがするようあなたを勇気付けたいと思っています。 流れに流されてはいけません。 今いるところに足腰を据えなさい。

物質的主義の他にもう一つの理由があります、それは自制の欠如です。  “あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”。 聖書は、この世代は“無情な者、融和しない者、そしる者、無節制な者、粗暴な者、善を好まない者”(テモテへの第二の手紙第3章3節)となるであろうと言っています。 “無節制な者”とは、自己統制ができない人という意味です。 特にスペイン系の人々の間で、多くの人達は絶え間なく移動しています、なぜなら、彼らは自己統制ができないからです。 彼らは同じ場所に留まることができません。 彼らは三ヶ月ないし四ヶ月に一度は引っ越しています。 それでは根は生えません!

私の母方の祖父は、立派なひとでしたが残念ながら多くの点でそのような人生を送った人でした。 彼には7人の子供達がいましたが、彼らは皆異なった州で生まれました。 彼は絶え間なく移動していたのです。 私の母はオクラホマで生まれ、一人の兄はネバダで、そして二人は西カナダで生まれました。 移動、移動、移動でした。 人生の終わりに、彼には何も残っていなかったのは理由のあることでした。 それでは根は生えません! 私は母方の家族、そして父方の家族に何が起こったのかを見てきました。 そして、私の子供達には決して同じ経験をさせたくないと決心しました。 ある晩、寝る前に妻と一緒に私が通った学校の数を数えてみました。 高校を卒業するまでに、28もの学校へ通ったのです。 そして、子供のころに数家族と一緒に暮らしました。 私は、成長していくに及んで、根を張り一箇所の場所に留まろうと決心しました。 なぜなら、彼らの中で成功した人を見なかったからです。 もしあなたがここに移動してきたのでしたら、ここを最後の場所にしなさい。 根をはり留まり、“ここが、最後の移動場所である”と言うようになりなさい。

アルダウス・ハックスレー(Aldous Huxley)が、アイルランドのダブリンでの英国協議会の会議に行く途中のことでした。 彼は駅に遅く着きました。 急いで彼は二頭馬車に飛び乗り、運転手に“速く走るように”と指示しました。 運転手は馬を鞭打ち、通りを駆け出していきました。 しばらくした後、ハックスレーは運転手に叫んで言いました、“どこに行くのか知っているのか?” 運転手は答えて、“いや、自分はどこに行くのか知らないが、非常に速く走っている”と言いました。 それが、現在の人々がしていることです。 “自分がどこに行くのか知らないが、非常に速く走っている”のです。

コックス陸軍の一部隊がワシントンに移動したとき、その移動の理由をこのように言いました、“我々は何を欲するのか分からない。 ただ、勇敢に戦うだけだ。 素早く勇敢に戦うだけだ”。 それが、今日の多くの若者達がしていることです。 “自分は何がほしいのか分からないが、それをできるだけ速く欲しいのだ”と。 ところで、あなたの人生はどこへ行くのでしょうか? あなたはできる限り速く行こうとしていますが、あなたはどこへ行くのでしょうか? あなたは人生を速いレーンで生きています。 しかし、あなたの人生はあなたをどこへ連れて行くのでしょうか? 今から25年後にはあなたはどこにいるのでしょうか? 今から50年後は? あなたはできる限り速く走っていますが、あなたはどこへ行くのでしょうか? 今から百年後はどうですか? どこであなたは永遠を過ごすのでしょうか? あなたはできるかぎり速く走っていますが、あなたはどこへ行くのでしょうか? 人生の終焉の後、何をあなたは欲しますか? 知っているように、人生についての偉大な哲学的質問は、自分は誰なのか? なぜ自分はここにいるのか? そして、自分はどこへ行くのか?です。 そうして、もしあなたがこれらの質問に答えられないならば、あなたがどんなに高い学校教育を受けたとしても、何ら役には立たないのです。 あなたは誰ですか? なぜあなたはここにいるのですか? あなたはどこへ行くのですか? どこであなたは永遠を過ごすのですか?

私は以前ある人と話をしました。 彼女は、“自分はこの教会へ来る前は、なぜ自分は生きているのか分からなかった”と言いました。 彼女は、“自分は仕事に行き、家に帰り、そして寝て起きる。 また、仕事に行き、家に帰り、そして寝て起きる。 そうして、自分に質問をしてみました。 ‘目的は何なのか?’”と言いました。 なぜ自分はここにいるのか? 自分はどこへ行くのか? そして彼女は、“この教会に来て自分は、人生の目的、そしてなぜ自分はこの世にいるのかを知りました”と言いました。 それが、あなたに必要なことなのです。 なぜ孤独で目的も持たずにいるのですか? 教会の家に来なさい!

ある日、年齢のいったクリスチャンが若者と座っていました。 この若者は、何か金もうけのことを思案していました。 その年配の男は若者に、“人生をどのように歩んでいくのか”と問いました。 “そうですね”と若者は答え、“自分は一生懸命働くでしょう”と言いました。 その年配の男は若者を見据えて言いました、“その後は?” “そうですね、自分は財産を築くでしょう”とその若者は答えました。 その年配の男は若者をまた見据えて言いました、“その後は?” “そうですね、自分は結婚するでしょう”とその若者は答えました。 その年配の男は若者に、“その後は?”と聞きました。 そして、“そうですね、自分は家族をもって養うでしょう”とその若者は答えました。 その年配の男は若者を見据え言いました、“その後は?” “そうですね、自分はおそらくリタイアし、残りの人生を楽しむでしょう”とその若者は答えました。 “その後は?”と聞かれ、その若者は答えるのに窮しました。 その質問が彼の思いから消えませんでした。

それがあなたがする必要なことなのです。 あなたは自身に問いかけて見なさい、“人生の本当の意味は? 自分はどこへ行くのか? 自分はあちこちへ移動しているが、人生はどこへ行くのか?”

それが、来週の日曜日にあなたに教会に戻って来てもらいたい理由です。 私はあなたに真の友人をこの教会で持ってもらいたいです。 それが孤独を癒す方法です。 教会は完璧な場所ではありません、なぜなら、人の集まりで、人は皆完璧ではないからです。 しかし教会は、“地上で最も幸せな場所”です。 ある人はディズニーランドのことを言うかもしれませんが、それは間違いです。 ローカルの教会が最も幸せな場所なのです!

しかし、あなたはローカルの教会に身を委ねなければなりません。 しばらく来て離れるのでは、あなたの孤独は癒されません。 あなたは教会に身を置き、何が起ころうとも、毎週教会に来続けなければなりません。 そのような決意が安定した結婚には必要なのです。 すなわち、教会の一員になるには必要なのです! 人々は孤独です、なぜなら、あまりにも自己本位で他のものに対して貪欲だからです。 彼らはクリスマス・キャロルの映画の主人公のように終わるだけです。 彼らはあまりにも自己本位で貪欲なため、完全に意味のある関係から切り離され―例えば、トイレの中で閉じ込められたように、完全に孤独な状態に終わるのです。 そして、それはまだ若いうちから始まるのです。 もし自分自身を、安定した人達の中に置かないならば、あなたはいつも孤独なのです、それを人生の偉大な原理として捉えなさい。 そして、地獄ほどに孤独な場所はありません。 地獄にいる金持ちが、あまりにも孤独なため、物貰いに水を持ってきてくれるよう乞い頼むようなものなのです。 もし孤独を克服したいのであれば、あなたはローカルの教会に来て、そこに留まらなければいけません。

そうして、あなたは完全に神の御子であるイエス・キリストに来なければなりません。 彼はあなたの罪の罰のために十字架で死なれました。 彼がご自身の尊い御血を流されたのであなたの罪は洗い流されました。 彼は死からよみがえられ、今天国の神の右座にいます。 しかし、あなたは今の自己本位な、背教者的な生活習慣から離れ、毎週日曜日には一回も休むことなく教会へ来なければなりません。 それが真の懺悔です! それがその意味するところです! そして、あなたは完全にキリストに来て彼の御血でもって清められなければなりません! それが真の救いなのです! それが新約聖書のキリスト教なのです! それが生きることに対する質問への回答なのです! それが、永遠に生きる道なのです! この彷徨える世代から抜け出なさい! それから離れなさい! ローカルの、新約聖書のバプテスト教会へ来なさい! キリストへ来なさい! それをしなさい! それをしなさい! それをしなさい! そうすれば、神はあなたを永遠に恵まれるでしょう!

(説教終了)
ハイマーズ博士の説教は毎週インターネットでご覧になれます。
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クレイトン L. チャン医師による説教前の聖書の朗読: ダニエル書第12章1-4, 8-10節。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“Acres of Diamonds” (by Arthur Smith, 1959).

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要 綱

彷徨うこの世代

R. L. ハイマーズ、Jr. 神学博士 著

“ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」”(ダニエル書第12章4節)。

(ダニエル書第12章8-9節)

I.   最初に、聖書は、私達は現在ダニエル書第12章4節で語られている
“この世の終わり”に生きているという多くの前兆を挙げています。
 ダニエル書第12章4甲節; ルカによる福音書第21章11, 25-26節;
 ルカによる福音書第21章10節; ゼカリヤ書第12章3節;
ルカによる福音書第21章12節;
テサロニケ人への第二の手紙第2章3節。

II.  次に、このテキストは移動と知識は、この世の終わりに増大する
であろうと告げています。 ダニエル書第12章4乙節。

III. 最後に、このテキストは、この世の終わりの時の人の不安につい
て告げています。 創世記第4章14節;
マタイによる福音書第24章37節;
テモテへの第二の手紙第3章1-2節;
マタイによる福音書第6章33節; テモテへの第二の手紙第3章3節。