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悪魔の活動―聖書の予言

R. L. ハイマース、Jr. 神学博士 著

DEMON ACTIVITY IN BIBLE PROPHECY
by Dr. R. L. Hymers, Jr.

ロスアンゼルスのバプテストタバナクル教会にて
2008年10月26日、主の日の朝の説教

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう”(テモテへの第一の手紙第4章1節)。

アメリカ人は、ハロウィーンの祭りに没頭しています。 それは、今日私達の文化が完全に異教的なものとなった事を示しています。 毎年、ハロウィーンの日には、どこへ行っても、骸骨やこうもり、魔女、そして“お化け”の絵などを目にします。 私達の教会の一人の青年が言うことには、彼の職場の皆が机の上に悪霊や悪魔などの肖像物、また狡猾な顔つきのカボチャちょうちんなどを置いているそうです。 彼の職場の人達は、最も怖がらせるような机のディスプレイを持った人に賞品も与えるそうです。 彼の職場内で机の上にそのような類のものを何も置いていないのは、彼の机だけでした! 彼は小さなアメリカの国旗だけを机の上に置いています! この毎年十月に悪魔を重要視するイベントは、現在私達が最わりの時に近づいている事を表している様に、私には思えます。 使徒パウロは、今日の私達のテキストに、それについてこう書いています、

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう” (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

私達は、この節から少なくとも四つの事柄を学ぶ事が出来ます。

I. 最初に、この予言は御霊によって示されています。

このテキストはこのように言っています、

“御霊は明らかに告げて言う・・・”(テモテへの第一の手紙第4章1節)。

“明らかに”と訳されたギリシャ語の意味は、“率直に、すなわちはっきりと”(Strong)、“明白に、間違いなく”(Rienecker)と言う意味です。 リエネッカー(Rienecker)は、“この言葉は、これらの後の出来事の基本要素が明白に知らされている事を示している”( Fritz Rienecker, Ph.D., A Linguistic Key to the Greek New Testament, Zondervan Publishing House, 1980, p. 625)と言っています。

ですから、この予言は使徒パウロが書いた単なる見解ではなかった事を私達は理解します。 いいえ、これははっきりと、明白に、そして間違いなく聖霊によって書かれた言葉です。 神御自身が使徒パウロにこの予言の言葉をお与えになったのです。 当然、聖書全てについても真実です。 なぜならこのように聖書には書かれています、 

“聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって・・・”
      (テモテへの第二の手紙第3章16節)。

クリスウェル博士は、テモテへの第二の手紙第3章16節に関してこのように書いています、

聖書の起源はこのように言明されている。それは“神により吹き込まれた”(theopneustos, ギリシャ語.)ものであり、すなわち、聖書の言葉は神御自身から受けるものである。 聖書によって維持された教義は、その言葉は“神によって吹き込まれた”ものであるということである(W. A. Criswell, Ph.D., The Criswell Study Bible, Thomas Nelson Publishers, 1979, note on II Timothy 3:16)。

テモテへの第一の手紙第4章1節の私達のこのテキストで、私達はこの予言の言葉の着想に気付きます、

“しかし、御霊は明らかに告げて言う・・・”
       (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

これは水晶球や占星学の本からの予言ではありません。 それは聖書によって神御自身から与えられた予言なのです。 この予言は神なる聖霊によって示されています。 聖書の中で神が私達に示された予言は、常に信頼する事が出来ます!

II.  次に、この予言は後の時代について語っている。

私達のテキストは、このように書いています、

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると・・・”
       (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

ティム・ラヘイ・プロフェシー・スタディー・バイブルはこのように書いています、

この状況による“後の時”は、現在の教会の時を表している(Tim LaHaye Prophecy Study Bible, AMG Publishers, 2000, note on I Timothy 4:1)。

ギル博士は、このように述べています、

その予言は第1,2,3節に記されている。この予言の著者は、神なる聖霊である;それが成された方法は、非常に明白であり、明示されていた;それが成就する時は、最後の時である(John Gill, D.D., An Exposition of the New Testament, The Baptist Standard Bearer, 1989 reprint, volume III, p. 292; note on I Timothy 4:1)。

ですから、私はこれらの言葉“後の時”は、テモテへの第二の手紙第3章1節から5節で話されている時と同じその時を表していることを理解します。

“しかし、このことは知っておかねばならない。終りの時には、苦難の時代が来る。その時、人々は自分を愛する者、金を愛する者、大言壮語する者、高慢な者、神をそしる者、親に逆らう者、恩を知らぬ者、神聖を汚す者、無情な者、融和しない者、そしる者、無節制な者、粗暴な者、善を好まない者、裏切り者、乱暴者、高言をする者、神よりも快楽を愛する者、信心深い様子をしながらその実を捨てる者となるであろう。こうした人々を避けなさい”
       (テモテへの第二の手紙第3章1-5節)。

テモテへの第二の手紙第3章1節の“終わりの時”と、私達のテキストにある“後の時”は同じ時を表しています。 それらのどちらもが、私達の時代について語っている事は明らかなように思えます。 私達は現在、その“終わりの時”、“後の時”に生きていると、私は信じます。 それは“後の時に”とも訳す事も出来るでしょう。 それは、神が今日私達が生きている時代を指して、後の時に関して予言しているという事を明白にしています。

III. 三番目に、この予言は背教の最後の時を示している。

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう” (テモテへの第二の手紙第4章1節)。

“離れ去る”と訳されたその言葉は、“見捨てる”、“わきへ落ちる”を意味するギリシャ語から来ています(Strong)。 人々は、クリスチャンの信仰を見捨て、聖書から離れ去るでしょう。 それが背教の最悪の日々に起こると言う予言です。 

この最後の時の背教は、テサロニケ人への第二の手紙第2章3節に、このように書かれています、

“だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り・・・” (テサロニケ人への第二の手紙第2章3節)。

“背教”という言葉は、ギリシャ語の一つの言葉“apostasia”の翻訳であり、“離れ去る”、真実を“断つ”という意味です(Strong)。 テサロニケ人への第二の手紙第2章3節のその偉大な“背教”の予言は、私達のテキストで書かれているその背教を表しています、

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は・・・信仰から離れ去るであろう・・” (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

現代の意訳では、“ある人々は・・・信仰から離れ去るであろう”とも訳しているでしょう。 それはまさに、テサロニケ人への第二の手紙の章で言っている“背教のことが起り”(テサロニケ人への第二の手紙第2章3節)なのです。 私は、これは聖書からのみ離れ去るだけではなく、聖書の福音が述べ伝えられているローカルの新約聖書に則った教会から離れ去る事も、また含んでいると私は信じます。 今日のキリスト教内で起こっている多くの事柄は、私達が今まさに背教の時に生きている事を示しています! クリスウェル博士はこのように述べています、

“離れ去る事”という表現は“背教”とも訳せるであろう。この冠詞[the](英語で使われている)の使い方は、特定な背教を[御言葉は示している]ことを指摘している・・・[この世の終わり]以前に、信者と自称している人達による著しい背教が起こるであろう(W. A. Criswell, Ph.D., ibid., note on II Thessalonians 2:3)。

私達は現在、その時、予言された背教のその真っただ中に生きていると思います。 今日のその背教は、チャールズ・フィニー(Charles G. Finney)と“決断主義者”の説教者達、そして人々の回心をも確かめることなく、むしろ瞬時に成される“キリストへの決断”を勧め、回心していない人達で今日の教会を満たした、チャールズ・フィニーに従がう伝道者達の奉仕に根源があります。

モンロー・“モンク”・パーカー博士(Dr. Monroe “Monk” Parker)は、しばしば“アメリカの伝道主義者達の最長老”とも呼ばれました。 彼の説教はよくソード・オブ・ザ・ロード(The Sword of the Lord)の出版誌に載せられています。 彼はこのように書いています、

もし我々が教会員の半分をも救わせる事が出来たなら、我々は偉大なリバイバルを目にするであろう。実際、われわれがアメリカの説教者達の半数をも回心させる事が出来たなら、我々は強大なリバイブルを目にするであろう(Monroe “Monk” Parker, D.D., Through Sunshine and Shadows: My First Seventy-Seven Years, Sword of the Lord Publishers, 1987, pp. 61-62)。

しかし、パーカー博士が数年前にそのように言った時、誰もそれを真剣に受け取らず、 教会員が回心している事を確かにする努力は、何も成されませんでした。 ですから、私達のテキスト、またテサロニケ人への第二の手紙第2章3節で述べられているような偉大な背教が、教会中に襲来し、教会にほんの数人の回心者を残しているだけになります。 アメリカ、そして西洋の国々の教会は、今日、非常に戸惑い、説得力に欠け、そして異端説や誤った教えで満ちているのです。 これらの予言は私達の面前で成就してきました!

“だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない” (テサロニケ人への第二の手紙第2章3節)。

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は・・・信仰から離れ去るであろう” (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

クリスウェル(W. A. Criswell)、ランキン(B. R. Lakin)、そしてトーザー(A. W. Tozer)のような主だった説教者達は、ほとんどの教会員は回心していないと警告しました(“The Great Falling Away,” R. L. Hymers, Jr., self-published, p. 7 参照)。 その背教は、何億人もの回心していない、自称クリスチャンを育て上げました。 それらの失われている教会員達は、異端宗教、ニューエイジ思想、そしてカルトなどによるキリスト教への攻撃に立ち向かう事が出来ないほど、教会を弱くしてきました。 ですから、西洋の国々は現在、暗黒状態、魔神崇拝、背教へと陥っており、多くの人はハロウィーンの悪魔の祭りに参加しています。 ジョン・ライス博士(Dr. John R. Rice)はこのように書いています、

説教壇は教会を衰えさせ、教会はアメリカを衰えさせた (John R. Rice., D.D., Bible Doctrines to Live By, Sword of the Lord Publishers, 1968, p. 311)。

ライス博士は間違っていません! 神が助けてくださいますように! チャぺル(F. L. Chapell)と名のる一人のバプテストの説教者が、1903年にこのように書いています、

誰かが、回心者による教会の会員制に関する教義にもとづいて、強くそして明白に、そして断固として、主張しない限り、 [第一]のリバイバルを先行させた暗黒時代は、再びやって来るであろう(Rev. F. L. Chapell, The Great Awakening of 1740, American Baptist Publication Society, 1903, p. 133)。

1903年には、誰一人としてチャペル牧師に耳を傾ける人はいませんでした。 今では、手遅れです! 私達は、今この時、最後の背教の“暗黒の時代”にいるのです! 私達は今日最後の背教の中にいるのです! 今、いかなる大統領も私達を救うことはできません! 唯一、神御自身の介在が今日の私達を救うことができるのです! しかし、アメリカと西洋の諸国に審判が下る前に、神が介在されることはないようにみえます。

私がかって説教をした南部バプテスト協議会に属する教会の執事が、数日前にこのように私に言いました、“あなたはいつも声を張り上げて説教した、いつも大きな声で”と。 彼が私をこのように侮辱した時、私は何も言いませんでした。 それは、適切な応対ではなかったかもしれません。 しかし、“我が神よ! 説教者が聖書に従い、説教する時に声を張り上げるのは、今のこの時ではないですか?” 預言者のイザヤはこう言いました、

“「大いに呼ばわって声を惜しむな。あなたの声をラッパのようにあげ、わが民にそのとがを告げ、ヤコブの家にその罪を告げ示せ”(イザヤ書第58章1節)。

使徒パウロはこう言いました、

“・・・責め、戒め、勧めなさい。人々が健全な教に耐えられなくなり、耳ざわりのよい話をしてもらおうとして、自分勝手な好みにまかせて教師たちを寄せ集め” (テモテへの第二の手紙第4章2-3節)。

そうです、私達は今、聖書で予言された非常な背教の時にいます。 そして、その惨禍は、声を上げて説教する事を恐れ、古き良き伝道者が行ったように、教会の会員が回心しているかを真剣に考え、そのためのカウンセリングをもつことを恐れる、臆病な説教者達のゆえに、起こったのです。 牧師が悪いのです、彼らは教会の会員の罪に対して勇気をもって説教をする事が怖いのです! 神よ、私達、牧師を助けたまえ! 私は、ライス博士が言った事を繰り返さなければなりません、

説教壇は教会を衰えさせ、教会はアメリカを衰えさせた (John R. Rice., D.D., Bible Doctrines to Live By, Sword of the Lord Publishers, 1968, p. 311)。

IV. 最後に、この予言は惑わす霊と悪霊の教によって生み出される背教を示している。

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう” (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

マクギー博士はこう語りました、

“惑わす”は実際には戸惑すこと、放浪することを意味し、欺くもしくは惑わすという意味を持つ単語からきている。事実、悪魔は全てこれらに他ならない。人々はサタンの霊に注意を払うであろう。人々は“悪魔の教”に注意を払い・・・物質主義の時代でさえ、霊的な世界に回帰し、それに非常な強調を置く・・・パウロは私達に、悪魔の教えに反抗せよと警告した(J. Vernon McGee, Th.D., Thru the Bible, Thomas Nelson Publishers, 1983, volume V, p. 447; notes on I Timothy 4:1)。

聖書にはこのように書かれています、

“愛する者たちよ。すべての霊を信じることはしないで、それらの霊が神から出たものであるかどうか、ためしなさい。多くのにせ預言者が世に出てきているからである”(ヨハネの第一の手紙第4章1節)。

教会は、数年にわたり回心していない人達を教会員に迎え入れました。これは、教会を弱くしたため、ニューエイジの悪魔的慣習が教会に入りこみ、教会はそれを阻止できなかったのです。 それが理由で、今日学校で聖書を読む事が禁じら、ハロウィーンの骸骨や魔女、そして“おばけ”の類の飾り付けが許されたのです。 これは明白に、彼らとキリストは何ら接点がないことを示しています。  代わりに、彼らは悪魔と共に楽しみたいのです。 皆さん、私達は非常な背教の時代に生きているのです! 私達の回りの説教者と教会の会員全てが、“惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて”( テモテへの第一の手紙第4章1節)いるのです。

その霊を吟味しなさい、そうすればそれらが悪魔からきた霊であることを知るでしょう。  そうです、ハロウィーンの悪魔的祭典の陰に隠れている霊を吟味し、私達の文化の中で起こっている他の変化を考えてみることです!

“実を結ばないやみのわざに加わらない”
       (エペソ人への手紙第5章11節)。

それが、私があなた方にハロウィーンと関係のあることを一切しないようにお願いしている理由です。 それが、私があなた方にキリストに来て、彼によってさばきから救われ、彼の御血でもってあなた方の罪から洗い清められ、彼を通して永遠の命を受ける、すなわち、あなた方の罪の罰を贖うために十字架で亡くなられ、あなた方に命を与えるために死から身体ごとよみがえられたキリストにくるようにお願いしている理由です! それが、私があなた方にハロウィーンの晩に私達と教会に来ることをお願いしている理由です。 私達はよい時を持つでしょう、そしてそれは全くハロウィーンとは関係ないものです! 10月31日の夜7時半に、食事会から始まり、フェロシップの時を持ちます。 その夜に、クリスチャンの人達と来なさい! 神が、あなた方にそうされる事を願って、なぜなら、

“御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう”
       (テモテへの第一の手紙第4章1節)。

そして、今夜6時に教会に戻ってくるようにしなさい! 今夜6時もしくは来週の金曜日のハロウィーンの夜に、あなたが教会にもどって来ることを悪魔が妨げることがあってはいけません。

(説教終了)
ハイマース博士の説教は毎週インターネットでご覧になれます。
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クレイトン L. チャン医師による、説教前の朗読:テモテへの第二の手紙第3章1-5節。
ベンジャミン キンケイド グリフィス氏による説教前の独唱:
“In Times Like These” (by Ruth Caye Jones, 1944).

要 綱

悪魔の活動―聖書の預言

R. L. ハイマース、Jr. 神学博士 著

“しかし、御霊は明らかに告げて言う。 後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう”(テモテへの第一の手紙第4章1節)。

I.   最初に、この予言は御霊によって示されています。
テモテへの第一の手紙第4章1甲節;
テモテへの第二の手紙第3章16節。

II.  次に、この予言は後の時代について語っている。
テモテへの第一の手紙第4章1乙節;
テモテへの第二の手紙第3章1-5節。

III. 三番目に、この予言は背教の最後の時を示している。
テモテへの第一の手紙第4章1丙節;
テサロニケ人への第二の手紙第2章3節;
イザヤ書第58章1節;テモテへの第二の手紙第4章2-3節。

IV. 最後に、この予言は惑わす霊と悪霊の教によって生み出される背
教を示している。テモテへの第一の手紙第4章1丁節;
ヨハネの第一の手紙第4章1節;エペソ人への手紙第5章11節。